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(人物) ジェームス・ディーン 

James Dean

ジェームズ・ディーン(James Dean、James Byron Dean、Jimmy Dean)
1931年2月8日~1955年9月30日(享年24歳)

 段映画をあまり見ない人でも一度は名前を聞いたことがあるであろう俳優、ジェームス・ディーン。彼の場合、俳優としてよりジェームス・ディーンという人間そのものとして語られることが多く、生涯に残されたたった3本の映画(実際はちょい役の映画とかがあと数本ある)はその出来に関係なく伝説的な扱いを受けている。その捻くれた役柄が実際の彼そのものであったことと、早すぎた死が大きな理由である。今年(2005年)は彼の没後50年ということもあり、デビュー作である『エデンの東』が先月(11月)リバイバル上映されていた。私は以前からジェームス・ディーンという存在に興味を持っていたので、ここぞとばかりに『エデンの東』を映画館で観賞し、残りの2作品もDVDでた観賞した。また、2001年にアメリカのTV映画として公開されたジェームス・フランコ主演のジェームス・ディーンの伝記映画『DEAN』もDVDで観賞した。以上の4作品の感想を以下に述べる。




エデンの東
East Of Eden
1954年【米】
監督/エリア・カザン 出演/ジェームズ・ディーン、レイモンド・マッセイ、バール・アイヴス、ジュリー・ハリス、ジョー・ヴァン・フリート

 ジェームス・ディーンのデビュー作。上にも書いたとおり、私は以前からジェームス・ディーンには強い興味を持っていたのだが、それ以上に、エリア・カザンの代表作であること等から、この映画そのものに興味を持っていた。しかし、DVDが販売もレンタルもされていなかったためなかなか見ることができなかった。そんな訳で先月のリバイバル上映は、正に「目から鱗」状態で嬉しい限りであった。
 映画の内容は、何よりも父親からの愛を欲するのだがなかなか手に入れることのできない少年の苦悩を描いたもので、ありがちと言えばありがちなのだが、旧約聖書の「初めて人を殺した人」の話(アダムの2人の息子アベルとカインの話)が裏設定であったりして、なかなか深い内容である。そして、その苦悩する少年キャルをジェームス・ディーンが演じているわけである。実際に幼いころに母親と死別し父親に見捨てられたジェームス・ディーンは生涯父親に愛されることを望んでいたという。私自身が本作を見る以前からこのような知識を持っていたため、多分に先入観もあると思うのだが、そんな生い立ちのジェームス・ディーンが演じたからこそ、この『エデンの東』という作品により深い悲しみとリアリティーを与えることができたのだと思う。
 本作が私の初めて見たジェームス・ディーンの映画であったわけだが、スクリーンの中の彼はそれまで私が持っていた彼のイメージそのものであり、大変満足のいく作品であった。個人的には彼の出演作品の中で一番好きな作品である。




理由なき反抗
Rebel Without Cause
1955年【米】
監督/ニコラス・レイ 出演/ジェームズ・ディーン、サル・ミネオ、 ナタリー・ウッド

 『エデンの東』と同年に公開された映画。十代の少年たちの苦悩と葛藤を描いた作品で、前作『エデンの東』と非常に近いテーマの作品である。当時24歳のジェームス・ディーンは17歳の少年を演じている。いつも母親の尻に敷かれる父親に嫌気が差し家を出たがる少年の役で、前作『エデンの東』と反対のような同じような役である。
 正直、映画としてはあまり印象に残らないもので、面白くなかった。まあ、本作で描かれている少年たちと同年代の時に見たら、また違った印象だったかもしれないが、ジェームス・ディーンが出ていなかったら見ていなかったと思う。そのジェームス・ディーンもなんか今一で本作の彼の赤いブルゾンに青いデニムというファッションは当時の若者たちの間で大流行したらしく、彼のビジュアル的なイメージでは一番有名だと思うが、個人的には微妙。




ジャイアンツ
Giant
1956年【米】
監督/ジョージ・スティーヴンス 出演/ ロック・ハドソン、ジェームズ・ディーン、エリザベス・テイラー、デニス・ホッパー、サル・ミネオ、キャロル・ベイカー、マーセデス・マッケンブリッジ

 ジェームス・ディーンの遺作。あるテキサスの家族の物語でタイトル通り壮大な物語。戦争や差別についての問題も含まれていてやや社会派な内容である。3時間以上ある映画なのだが、作品中で時間が30年ほど経過するので非常にテンポ良く見ることができる。
 ジェームス・ディーンはアメリカンドリームを実現させる石油王を演じている。前2作とは少し方向の違う役であると思うが、どこか捻くれた感じはジェームス・ディーンならではな観がある。物語前半では金も地位も名誉も何もない、いかにもテキサスって感じのビジュアルの牧童役で、石油を掘り当ててからの物語後半ではスーツにサングラスのブルジョワを演じている。物語の中心となる家族の敵役的なポジションなのだが、非常に格好良く描かれている。特に前半の石油を掘り当てるまでの彼はキャラクター的にもビジュアル的にも最高で「格好良い」の極みといった感じである。物語後半では50代の中年の役を演じているのだが、彼がただの偶像(アイドル)ではなく、いかに素晴らしい俳優であったかが分かる。
 皮肉にも本作の撮影中に彼はこの世を去り「永遠の青春スター」のラベルを貼られることになるが、本作での演技で彼は俳優としての実力を見せ付けてくれる。映画としても非常に見ごたえのある良い作品であると思う。
 個人的には彼の演じた役としては本作前半の牧童が一番好きな役である。 (トップの写真がそれ)




DEAN(ディーン)
Dean
2001年【米】
監督/マーク・ライデル 脚本/イスラエル・ホロヴィッツ 出演/ジェームズ・フランコ

 2001年にTV映画として制作された作品。冒頭でも述べたとおり、ジェームス・ディーンの伝記映画である。
 本作の何よりの見所は、主演のジェームス・フランコであろう。本作が“伝説の俳優の伝記映画”として成立しているのは、ひとえに彼の演技のおかげだろう。私は、『エデンの東』、『理由なき反抗』、『ジャイアンツ』を見終えてから、そう時間を置かずに、本作を見たのだが、ジェームス・フランコがジェームス・ディーンにそっくりなのである。さりげない仕草、台詞の言い回し、微妙な表情と、細部にいたるまで徹底した演技を行っていて、完璧にジェームス・ディーンになりきっているのである。彼のこの演技のため、本作で語られている内容が、すべて真実であるかのように錯覚してしまうほどである(もちろん映画的脚色も同然されているだろうが)。そういった意味で、本作は伝記映画として、非常に見ごたえのあるものに仕上がっているので、ジェームス・ディーンのファンなら一度は見ておいて損のない作品であると思う。また、俳優ジェームス・ディーンしか知らない人が人間ジェームス・ディーンを90分で知ることができるという意味で、非常にお手ごろな作品であるとも思う。
 映画そのものとしても、なかなか見ごたえのある寡作である。




(2006年3月13日、加筆)

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