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(映画) パリ、テキサス 

Paris, Texas

パリ、テキサス
Paris,Texas
1984年【西独・仏】
監督/ヴィム・ヴェンダース 出演/ハリー・ディーン・スタントン、ナスターシャ・キンスキー 音楽/ライ・クーダー

 ード・ムービーの天才ヴィム・ヴェンダースによる、これぞまさにロード・ムービーといった作品。
 両親に捨てられた少年ハンターは、父親の弟夫婦に実の息子のように育てられていた。しかしある日、長年行方不明だったハンターの父親トラヴィスが突然現れる。父親の記憶などほとんどなかったハンターにとって彼は赤の他人も同然である。初めはよそよそしかった二人であるが、共に過ごす内に二人は心を通わせる。そして二人は母親ジェーンを探しに旅に出る、、、 
 父一人、母一人、子一人。家族を構成する数字としては最小値の3。しかし、この数字が満たされることは決してない。男女のすれ違い、親子の思い。様々な理由から彼らはは決して3になることはない。人の世の無常。男としての生き方。家族愛。兄弟愛。シンプルなストーリーではあるが様々なことを考えさせられる秀逸な作品である。

 あと、ライ・クーダーのギターが美しすぎ。

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(映画) 地獄の黙示録 

Apocalypse Now

地獄の黙示録
Apocalypse Now
1979年【米】
監督、脚本/フランシス・F・コッポラ 出演/マーロン・ブランド、マーティン・シーン、ロバート・デュバル、デニス・ホッパー

 ッドファーザー、ゴッドファーザー・パート2で巨万の富を得たコッポラが3200万ドルの私財を投じて製作したベトナム戦争を題材にした作品。人間の残虐性、狂気を描くことによって戦争の恐怖や混沌を表現しているのだが、非常に重い。重い上に難解で一回見ただけでは全く意味が分からない。私は本作をおそらく十回以上は見ているのだが今でも満足のいく理解は得ていない。しかしこの映画、何故かその世界に引き込まれてしまう異様な力を持っている。それは、人は誰もが本作で描かれているような狂気や残虐性を持っているからではないかと私は考える。決して私自身は戦争や暴力を支持する人間ではないのだが、本作で表現される残虐シーンにはある種のカタルシスを感じてしまうのである。それはなによりも本作の持つ映像の美しさにあると思う。これは全編に渡って云えることであるのだが、本当に映像が美しいのである。さすがコッポラとしか言いようがない。この映像の美しさのため本作で表現される残虐シーンには不快感や嫌悪感を感じることがないのである。そしてその映像に対して、音楽の使われ方が非常に素晴らしい。アメリカ空軍のヘリ部隊がヴェトナムの村を襲うシーンでナチスが好んで聞いていたといわれるワグナーの「ワルキューレの騎行」、マーロン・ブランド扮するカーツ大佐が切り殺されるシーンで近親相姦と親殺しを歌ったドアーズの「ジ・エンド」を使うなど、音楽の使い方がこれまた絶妙なのである。
 テーマ、映像、音楽にいたるまで狂気と美しさに満ちたこの映画、好き嫌いの分かれる映画ではあると思うが非常に感性を刺激される映画であると思う。

追記:
 先日、本作の考察本である立花隆著の『解読「地獄の黙示録」』(文春文庫)を購読した。多少、深読みしすぎなのではと思ってしまうような考察も見られたが、なかなか興味深く読むことができた。本作のあるシーンがある文学作品のオマージュであったり、あるキャラクターがある人物のメタファーであったりと…。まあここに本書の詳細を書いてもしょうがないのでやめておくが、私同様、本作に得体の知れない魅力を感じた方がいたら本書を読むことと強く勧めます。

(映画) セルピコ 

Serpico

セルピコ
Serpico
1973年【米】
監督/シドニー・ルメット 脚本/ウォルド・ソルト 出演/アル・パチーノ、ジョン・ランドルフ

 会派監督シドニー・ルメットによる実話に基づいた映画。ニューヨークを舞台に、新人警官フランク・セルピコ(アル・パチーノ)が警察署内の汚職を粛清しようと孤軍奮闘する話。実話に基づいているだけあってエンターテイメント性は皆無。しかし、逆にこの徹底してエンターテイメント性を排除する姿勢こそシドニー・ルメットの作品の魅力だと思う。そして何より、この映画の最大の魅力は主演のアル・パチーノに尽きる。
 個人的にアル・パチーノは決して上手い役者ではないと思う。彼の演技はいつでも120%で、どの映画をみてもアル・パチーノはアル・パチーノでしかない気がする。よく云われることではあるけど、ロバート・デ・ニーロが役になりきる俳優であるのに対して、アル・パチーノは役を自分に持ってくる俳優だと思う。しかしアル・パチーノのこの演技スタイルが本作のセルピコという人物が持つキャラクターに非常にマッチしているのである。
 絶対的な正義感を持って警官となったセルピコ。しかし、彼は警察署内の腐りきった汚職を目の当たりにし絶望にひたる。同僚たちが当然のように汚職に染まっていく中、彼はあくまでも自分の信念を貫き、署内の汚職を告発しようとする。やがて同僚たちは彼を煙たがり、上司たちは彼に圧力をかけ始める。それでも、彼は己の信念を貫く。この何があろうが自分の信念を貫く生き方、まさにアル・パチーノのスタイルそのものではないだろうか。私が思うに、本作のテーマは正義という偽善的なものではなく、この「信念」というものなのである。もちろん、当時の警察署の実態を暴くという目的もあっただろうが、私同様、多くの人がアル・パチーノ演じるフランク・セルピコの信念に感銘を受けるのではないだろうか。

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