スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

(映画) スピリット・ボクシング 

SHACKLES

スピリット・ボクシング
Shackles
2005年【米】
監督、脚本/チャールズ・ウィンクラー 出演/D・L・ヒューリー、ホセ・パブロ・カンティッロ、バリー・シャバカ・ヘンリー、クリステン・ウィルソン

 所のTSUTAYAで推薦作となっていたので借りてみた映画。日本未公開のインディー作品。原題の『SHACKLES』は手錠という意味なのだが、邦題は何故か『スピリット・ボクシング』。主人公の男がボクシング・ジムに通うシーンが一瞬登場するが内容にボクシングは一切関係ない。邦題を考えた人はどういった意味でこの題を付けたのだろうか。謎だ。未成年犯罪者を収容する刑務所に実験的に設置された学校を舞台とした物語である。

 D・L・ヒューリー扮する主人公のベン・クロスはかつては高校の数学教師であったのだが、3年前に起こした生徒への傷害事件が元で教師として再び教壇に立つ事ができなくなっていた。また、その事が原因で妻とも離婚していた。そんな彼の元にシャクルトン刑務所に新しく設置されたシャクルトン・アカデミーなる学校の教師としての仕事が舞い込む。教師としての再起を計る彼にとってそれは最後のチャンスでもあった。しかし刑務所の管理側の人間(所長や看守長)たちは人件費の無駄遣いという理由で学校の設置に否定的であった。また刑務所には毎日のように学校設置反対の団体がデモ活動を行いにやってくる。彼らは言う「犯罪者に教育を与えるな!!」と。そのような反発にあいながらもベンは少年達の才能を見つけ出そうと奮起する。そして生徒の一人である少年、ガブリエル・ガルシアのカリスマ性とある才能に気付く。その才能とは詩闘(リリック・バトル)である。ガブリエルはひたすら吠え続ける。刑務所の抱える矛盾を。「彼らは自分を更正させる気などないのだ」と。やがてこの詩闘(リリック・バトル)はベンと少年達を巻き込む大騒動へと発展していく…。

 反体制的な社会派映画であるが、ストーリーの起承転結がはっきりしているため非常に見やすかった。画面を2~4分割し複数のシーンを同時に映すという手法は非常に斬新で格好良いと思った。また「詩」というものが本作の重要なファクターであると思うのだが、物語の要所要所で効果的に使われていて非常に良かった。犯罪者への教育や更正についての個人的意見はあえて触れないが、映画としては相当面白い部類のものだと思う。

スポンサーサイト

(映画) ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 

stoned

ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男
Stoned (The Original Rolling Stone)
2005年【英】
監督/スティーヴン・ウーリー 出演/レオ・グレゴリー 、パディ・コンシダイン 、デヴィッド・モリッシー 、ベン・ウィショー 、ツヴァ・ノヴォトニー

 ライアン ・ジョーンズの項で触れた映画『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』を観賞した。予想してたのとはだいぶ異なる映画であったが、なかなか面白い映画であった。ブライアン・ジョーンズの貢でも述べたように、本作はブライアン・ジョーンズの伝記映画という触れ込みであったので、個人的に「ブライアンとミック、キースとの出会いから始まって、バンドがでかくなっていき、ブライアンが孤立して、最後に殺される」という単純明快な伝記映画だと勝手に思い込んでいたのだが、実際は全然違った。
 ブライアン・ジョーンズとフランク・サラグットが出会ってから、サラグットがブライアンをプールで殺すまでの約2ヶ月間の二人の奇妙な生活が本作の軸となるストーリーであるのだが、それ以前の話(ブライアンが10代のころの話とかブライアンの彼女がキースと寝ちゃう話とか)が時間軸を無視して散文的に導入されていて、伝記映画というよりもスタイリッシュな映像映画といった感じであった。個人的にはこういったスタイリッシュな映画は好きなのでなかなか楽しむ事ができた。
 また、ブライアン・ジョーンズが60年代ロックの象徴といわれているためだと思うが、導入曲の殆どが60年代の音楽であり、それがスタイリッシュな映像と相まっていて非常に良かった(ただ、金銭的な問題だと思うが、殆どの曲は現在のミュージシャンによるカヴァー曲であった)。中でも、ブライアンがミックやキースから見捨てられるシーンでボブ・ディランの『やせっぽちのバラッド』が流れるのは鳥肌物であった。この曲の歌詞で

>ここでは何かが起こりつつあるけど

>あんたにはそれが解らないのさ

>どうだい? ミスター・ジョーンズ

という下りがあるのだが、これはブライアン・ジョーンズのことであるとされている。あるいは、ブライアンが勝手に自分のことだと思い込んでいてこの曲をたいそう気に入っていたとされている。いずれにせよ、映像とマッチしていて非常に感慨深いシーンとなっていた。

 あえて言うまでもないことだが映画の見方や楽しみ方は人それぞれであると思う。上記の通り、個人的に本作は映像や音楽を楽しむ映画であり、無理にストーリーを追う映画ではないと思った。また私自身がそうであるのだが、ブライアン・ジョーンズに関してそこまでマニアックな知識を持っていなくても本作は十分に楽しめるものであると思う。特にロック好きなら手放しで絶賛できる最高の映画だと思う。

(映画) ラストデイズ 

Last Days

ラストデイズ
Last Days
2005年【米】
監督、脚本/ガス・ヴァン・サント 出演/ マイケル・ピット、ルーカス・ハース、アーシア・アルジェント、キム・ゴードン 音楽コンサルタント/サーストン・ムーア(ソニック・ユース)

 ギャラクシー・クエストの項でアートに比重した映画は、マニアックで好き嫌いの分かれる作品が多いといったことを述べたばかりであるが、本日観賞した映画『ラストデイズ』は正にその類の作品であろう。
 本作は1994年に27歳の若さで自らの命を絶ったロックンローラー、カート・コバーンにインスパイアされた作品で、ある有名ロックンローラー(ルックスはまんまカート・コバーン)が自殺(本作では主人公の青年の直接の死因は明らかにされていないが)するまでの2日間を描いた作品である。
 監督のガス・ヴァン・サントは前作で、1999年にアメリカのコロンバイン高校で起きた二人の男子生徒による銃乱射事件をもとにした映画『エレファント』を制作しているのだが、本作はそれの姉妹作ともいえる作品である。両作品ともストーリーというものが殆どなく、想像や記録に基づく事実を淡々と描いているだけで、果たしてこれは映画と呼べるものなのだろうかとも思える作品に仕上がっている。
 実際に起こった事件を映像という媒介を用い提起するだけで、それに対する答えは全て視聴者各人に任せるといったスタンスで、映画として多くの人が楽しめるものではないと思う。実際本作を映画館で見終えた後、多くの人が「つまらない」といっているのを耳にした。カート・コバーンという現在でも多くの若者から支持されるカリスマをモチーフにしているだけあって、多くの客は『シド・アンド・ナンシー』や『ドアーズ』のような伝記映画を期待していたのではないだろうか。
 私個人はなかなか良い作品であると思った。元々私自身がカート・コバーンの在籍していたNIRVANAというバンドのファンであり(以前コピーバンドもしてた)、また前作『エレファント』に大変衝撃を受けていたため、公開以前から「自分の好きなアーティストをモチーフにした映画があの『エレファント』の手法で描かれるのか」という思いで期待をしていたのだが、本作はまあその期待は十分に満たしてくれた。ただ欲を言えば、何故青年が人生に絶望したのかを示唆する描写をもう少し加えて欲しかった。『エレファント』では男子生徒がいじめを受けている描写などがあり、事件に至るまでの経緯がもう少し詳しく描かれていた。実際『エレファント』を見た直後はそうは思わなかったのだが、本作『ラストデイズ』と比較したら、ずいぶん分かりやすい作品であったと思う。逆に『ラストデイズ』はより分かりにくいものであったと思う。
 では、この『エレファント』や『ラストデイズ』のどのような部分が良いのかについてだが、何よりも作品全体がとても美しいのである。殺人や自殺といった非常に重いテーマを描いた作品ではあるのだが、人間の持つ心の弱さ、繊細さといった闇の部分にひたすらスポットライトをあて、それを否定も肯定もせずただ照らしているといった感じで、それが非常に心地良く美しいのである。
 結局のところ心に闇を持たない人間など存在しないわけで、自殺や殺人を犯す人間が特別なわけではないと思う。そういった心の闇にあえて目を向けてみるのは重要なことであると思う。

(映画) ギャラクシー・クエスト 

Galaxy Quest

ギャラクシー・クエスト
Galaxy Quesy
1999年【米】
監督/ディーン・パリソット 出演/ティム・アレン、シガニー・ウィーバー、アラン・リックマン、トニー・シャローブ、サム・ロックウェル、ダリル・ミッチェル

 人的な意見であるが、映画とは大きく分けて2種類あると思う。芸術性の高い映画か、娯楽性の高い映画か。前者の場合、マニアックで好き嫌いが大きく分かれる作品が多く、後者の場合、大衆受けはするものの、コアな映画ファンからは批判されがちになる傾向があるように思う。もちろんすべての映画がどちらか一方に偏っているわけではなく、その境界は明確ではないが、それでも娯楽作品か芸術作品かは感覚でなんとなく分かるものである。
 閑話休題。
 本作『ギャラクシー・クエスト』は100%の娯楽映画である。巷にいう「笑いあり、涙あり、感動あり」というフレーズが正に当てはまる作品で、ひたすらエンターテイメントというものを追求している。冒頭で娯楽性の高い映画はコアな映画ファンから批判されがちにあると述べたが、本作の場合、誰がみても観賞後は「あ~映画を見たな~」という満足感に十二分に浸ることができると思う。ジャンルは一言で言えばSFコメディで、一歩間違えれば安っぽくなってしまう危険なジャンルであるが、起承転結がしっかりしていて伏線やプロットが非常に丁寧に作られているため、なかなかの寡作に仕上がっている。幼い頃、ドラえもんの映画などに胸躍らせた方などにはぜひ見てもらいたい作品である。

(映画) ヴェニスの商人 

The Merchant Of Venice

ヴェニスの商人
The Merchant of Venice
2004年【米・伊・ルクセンブルグ・英】
監督、脚本/マイケル・ラドフォード 出演/アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、ジョセフ・ファインズ、リン・コリンズ 原作/ウィリアム・シェークスピア

 ェイクスピアの同名作『ヴェニスの商人』を題材にした作品。私は本作を見終えた後、非常に後味の悪い作品だと思った。おそらく、監督のマイケル・ラドフォードが意図的に、この『ヴェニスの商人』という作品のもつ意味をすりかえたのではないかと思う。当時としては「高利貸しの気に食わないユダヤ人商人をキリスト教徒が皆で懲らしめて、めでたし、めでたし」といった感じの喜劇だったのだろうが、本作はユダヤ人に対する差別に焦点を当てた内容となっていて、それは喜劇とはほど遠くむしろ悲劇といっていいものである。その焦点となっているユダヤ人商人役をアル・パチーノが演じているのだが、これが本当にすごいはまり役で、ここ最近のアル・パチーノに漂う「哀愁」というものがいかんなく発揮されていて、見ていて非常に切なくなる。特に、ラストの家族、財産、そして宗教まで奪われてしまい、ただ呆然と立ち尽くすシーンには鳥肌が立った。まさに円熟の凄みといったところだろう。まあ、内容的には本当に後味が悪く退廃的な気分になる作品ではあるが、差別というものを今一度考え直すにはいい作品なのかもしれない。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。